Weekly Yoshinari

Weeklyじゃなくてさーせん🙏🏻

【廃案済】ウラジオストク逃亡計画

世界史が得意科目だったにも関わらず、10代だった自分は、海外志向とはかけ離れた考えの持ち主だった。 なぜなら、これでもかと言うほど英語が苦手だったからである。 中学一年生の4月に「なんでHelloの綴りはHarouではないのだろう」と悩んでいると、英語…

イーハトーブを訪ねて

小学校の国語の教科書に掲載してあった「やまなし」は、今でも幼馴染との会話でしばしば話題にあがる。 「クラムボンは笑ったよ」 「クラムボンは泣いたよ」 「その後どうなるっけ?」 「死んだんじゃない」 「なんで死んだんだっけ?」 「知らない」 そんな…

フラペチーノが遠すぎる

誕生日やお祝い事などの節目には、スタバカードなるものをよくもらう。 全国共通、みんな大好きスターバックスコーヒー。 LINEでピコンと送れるし、もらって困るものでもない。遠方に住む知人に送るプレゼントとしてはなかなか優秀なセレクトだ。相手が鳥取…

一人では生きられないから

小学1年生の頃に人類最悪の歴史的事項に名を連ねるホロコーストの存在を知って以来、信じつけていることがある。 それは、人間は一人では生きられないということだ。 社会を回しているのは助け合い、コミュニケーションだ。どんな小さい仕事であっても、目…

【2023年下期】読書記録と雑感

天邪鬼な性格が災いし、流行りものを敬遠してしまう。見たり、観たり、触ったりすると、気に入ることの方が多いのに、なぜか流行の波に乗るものかと意固地になってしまうのは悪い癖だ。 定額読み放題サービスである「Kindle unlimited」の利点は、大流行した…

2023年が終わりそう

2023年は印象の薄い年である。ここ5年ほど、私は毎年、自分史年表に記載ができるほどのイベントが発生していた。大学卒業、就職、引越しなどと、10年後に振り返っても思い出せるような出来事ばかりだ。それに引き換え、2023年。何も発生していない。国内一…

久々に関西へ戻って

今年の目標に最低一か所一人旅を掲げていたのだが、 体調不良や多忙により叶えられないまま早くも11月を迎えてしまった。いや、少し嘘だ。時間なら探せばあった。 スカートの裾からほつれた糸を引っ張りだすように、 多少の時間は作れるものなのだ。 自分の…

こころとからだ

突然、充電が切れた。ベッドから起き上がれない。私には、たまにこういうことがある。 たっぷり寝た後、お寿司とビールを堪能したくなり、回転寿司へ出かけた。お昼からのビールが、夜よりも数倍美味しいのは、気持ちの瓶を幸福感でいっぱいにしてくれるから…

東京コンプリートゲーム。だから世界を革命したい。(後編)

30分以上も汗の臭いが充満した満員電車に運ばれた先にあるのは、桃源郷とは程遠い場所だ。理不尽な電話、ちょっとしたイジり、急な連絡調整。耐えなければいけない様々なことを想像すると、疲労感が吹き出してくる。 大事なことは一つだけ。ココロのHPを満タ…

東京コンプリートゲーム。だから世界を革命したい。(前編)

憧れの街、東京。青空の一部となった高層ビルの下で、スタバのコーヒーとスマホを片手に、肩で風を切りながら闊歩する人たちが生きる町。 幼い頃から、この街に溶け込みたいと願っていた私がようやく居を構えたのは、社会人になってからだった。ここが自分の…

【2023年上期】読書記録と雑感

デジタル化の恩恵だ。昨年冬にKindleを購入して以来、自宅にいながら好き放題の本を手にできる環境を得た。いわば図書館で寝泊まりしているようなものだ。電子書籍の定額読み放題サービスであるKindle Unlimitedにも加入したので、文庫本1冊と同程度の価格…

カズオ・イシグロ読破した

昨年に「私を離さないで」を読んで以来、すっかりカズオ・イシグロ作品の魅力にとりつかれた私。邦訳版として出版されている全9冊を読了したので、レビューしたいと思います。 ネタバレを含むので、ご了承ください。 ①「遠い山なみの光」(1982年) 記憶に…

アラサー女、やる気に欠けたまま有給消化する

私は何事に対してもやる気に欠けている。 前日までは元気があって、わくわくして、好奇心旺盛で、海底から宝石を探りだすような気持ちでいたのに、当日になると何もかもがどうでもよくなる。 それも、一日中ゴロゴロしておきたーい!なんて子猫のような生き…

語学は才能。されど自ら助くる者を助く。

反応に困る声掛けがある。 「ヨシナリさんは、英語が得意らしいよね!」 この他のパターンとして、「昔からずっと英語が得意だったの?」や「英語ができて羨ましいよ」や「大学で外国系の専攻だったから英語ができるのか!」などがある。 他の話題の際にも時…

別れの挨拶

開口一番、彼女の瞳からは涙が溢れた。「関西に、戻ることになってん」震える彼女の声は、私にしか聞こえていない。右隣のグループは人事異動の話題で盛り上がっている。左隣の男女は顔を合わせてから30分も経っていない様子で、ぎこちなくサラダを分け合っ…

芸術の面白さ

ルネッサンスとモダンアート。新古典主義と印象派。 様々な時代における西洋絵画を並べてみて、どの時代の作品が好きかと問われたら、きっと困ってしまう。どの時代の西洋絵画もすてきだと思うからだ。繊細で細かいタッチに惹かれることもあれば、大胆で力強…

10年記念

翌朝のオンライン英会話を予約しようとしたら「条件に当てはまる講師がおりません」と表示された。 そうか。今日は大晦日。明日はお正月。元旦から仕事をしたい人がいるはずもない。 私は一人で納得して、予約をせずにパソコンを閉じた。 一人暮らしのアラサ…

【2022年下期】読書記録と雑感

「幸せ」とは何か。 古今東西の哲学者や宗教家や経済学者らは、永遠のテーマに対して独自の見解を示し続けている。 しかし、「不幸」についてはどうだろう。 「幸」に対する印象は、愛や自由や富をはじめとして個々人により形も優先順位も異なっているが、「…

Where is my stage?

春の匂いが染み込んだ夜は、少しだけ冷え込み、そしてきらめいていた。 「ヨシナリのことが大好きやから、他の誰よりも、ヨシナリの幸せを願ってるねん。ずっと、ずっと応援してる」 京都の四条河原町で、私と友人は抱き合って別れた。毎日のように話してい…

『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)における「人間性」

最近読んだ本の中で、最も衝撃的だったのは、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房、2006年)である。 読了後の衝撃は図り知れず、読み終わった翌日には再び1ページ目を開いていた。それだけでは飽き足らず、原書の『Never let me go』を購入…

ハロプロを語る。

大学時代の友人しか知らないことの1つに、私がハロプロこと「ハロー!プロジェクト」のファンだということがある。ただ、私にはお金と時間に余裕がないので、ライブには参戦したことがない。CDを買ったり、YouTubeで動画をサーフィンする程度のため、ガチ…

ふたたび。そして平和をこの手に。

選挙の日は、うちじゃなぜか、投票うぃって外食する。 参議院選挙の投票を終えた私は、平成のアイドルの名曲を心の中で歌う。ピース、ピース。 そのまま、近所のサイゼリヤへ向かった。頼んだメニューはいつも通り、にんじんサラダとマルゲリータピザとペペ…

【2022年上期】読書記録と雑感

今年の目標の一つは、1か月に最低1冊は本を読むことだ。 友人から、1か月に1冊は読書をするという話を聞き、自分も見習おうと思ったことがきっかけである。 元々、読書は好きだ。 小学生の頃は校内1位の年間貸し出し冊数を誇り、中高生の頃は毎日勉強も…

再開

年明けからの私は、激務であった。 残業時間こそ多くはないが、代わりに2週間に一度の出張が待ち受けていた。見知らぬ土地へ赴き、完成されたコミュニティに飛び込むのは、少なからず精神をすり減らす。さらに、出張のない日は連日、非常勤さんのサポートの…

アラサー女、ひとりでトリキに現れる

大学時代にお世話になっていた居酒屋と言えば、鳥貴族(通称トリキ)である。 安いと旨いを掛け合わせた数多のメニューを前にして、訪れるたびに心を躍らせたものだ。私のような貧乏大学生にも飲み会の楽しさを分けてくれる最高のお店であった。 だが、悲し…

絡まった糸をほどく(後編)

私大は合格発表が早い。推薦入試やAO入試の合格者も多いため、入学式の日には既にコミニュティが作られていた。周囲の新入生が桜とともに写真に収まる中、入学式の10日前に入学が決まった私は、当然ながら独りぼっちであった。「皆さま、ご入学おめでとう…

絡まった糸をほどく (前編)

ねぇ、うちの業界にいたらさ、学歴コンプくすぶるよね。ランチ中、同期がふと口にした。私は、そうだねと同意する。たぶん、私達の大学は、世間一般では普通レベルかと思う。名前に聞き覚えがある程度には。しかし、この業界では違う。難関大学出身者がひし…

いまじなりー・ふれんず

ペットが欲しい。 残業はなくならない。 ヒールを脱ぎ捨てて、暗い八畳ワンルームへ戻る毎日に、嫌気がさす。 私は、これから何度、同じことを繰り返さなければならないのだろう。 疲れ果てても、誰も声をかけてくれない。甘えさせてもくれないし、甘えても…

ペットから知る私

大学進学を機に、私は実家を出た。私と両親は、なかよしこよしという関係ではなかった。むしろ母親など「あなたがいなくなったら、フランス語の勉強再開しようかしら」と漏らし、第2の人生を心待ちにしているようでもあった。 しかし、実際にその時が訪れる…

自分が自分であるために

少しずつ、コロナ前の生活が戻ってきている。氷像のてっぺんが丸くなっていくように、冬は終わりを告げ始めているのかもしれない。 時間が動き出す。それと同時に、私はいくつもの岐路に立っていることに気がついた。 私の会社には社費留学制度がある。自分…