Weekly Yoshinari

Weeklyじゃなくてさーせん🙏🏻

2022-01-01から1年間の記事一覧

【2022年下期】読書記録と雑感

「幸せ」とは何か。 古今東西の哲学者や宗教家や経済学者らは、永遠のテーマに対して独自の見解を示し続けている。 しかし、「不幸」についてはどうだろう。 「幸」に対する印象は、愛や自由や富をはじめとして個々人により形も優先順位も異なっているが、「…

Where is my stage?

春の匂いが染み込んだ夜は、少しだけ冷え込み、そしてきらめいていた。 「ヨシナリのことが大好きやから、他の誰よりも、ヨシナリの幸せを願ってるねん。ずっと、ずっと応援してる」 京都の四条河原町で、私と友人は抱き合って別れた。毎日のように話してい…

『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)における「人間性」

最近読んだ本の中で、最も衝撃的だったのは、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房、2006年)である。 読了後の衝撃は図り知れず、読み終わった翌日には再び1ページ目を開いていた。それだけでは飽き足らず、原書の『Never let me go』を購入…

ハロプロを語る。

大学時代の友人しか知らないことの1つに、私がハロプロこと「ハロー!プロジェクト」のファンだということがある。ただ、私にはお金と時間に余裕がないので、ライブには参戦したことがない。CDを買ったり、YouTubeで動画をサーフィンする程度のため、ガチ…

ふたたび。そして平和をこの手に。

選挙の日は、うちじゃなぜか、投票うぃって外食する。 参議院選挙の投票を終えた私は、平成のアイドルの名曲を心の中で歌う。ピース、ピース。 そのまま、近所のサイゼリヤへ向かった。頼んだメニューはいつも通り、にんじんサラダとマルゲリータピザとペペ…

【2022年上期】読書記録と雑感

今年の目標の一つは、1か月に最低1冊は本を読むことだ。 友人から、1か月に1冊は読書をするという話を聞き、自分も見習おうと思ったことがきっかけである。 元々、読書は好きだ。 小学生の頃は校内1位の年間貸し出し冊数を誇り、中高生の頃は毎日勉強も…

再開

年明けからの私は、激務であった。 残業時間こそ多くはないが、代わりに2週間に一度の出張が待ち受けていた。見知らぬ土地へ赴き、完成されたコミュニティに飛び込むのは、少なからず精神をすり減らす。さらに、出張のない日は連日、非常勤さんのサポートの…

アラサー女、ひとりでトリキに現れる

大学時代にお世話になっていた居酒屋と言えば、鳥貴族(通称トリキ)である。 安いと旨いを掛け合わせた数多のメニューを前にして、訪れるたびに心を躍らせたものだ。私のような貧乏大学生にも飲み会の楽しさを分けてくれる最高のお店であった。 だが、悲し…

絡まった糸をほどく(後編)

私大は合格発表が早い。推薦入試やAO入試の合格者も多いため、入学式の日には既にコミニュティが作られていた。周囲の新入生が桜とともに写真に収まる中、入学式の10日前に入学が決まった私は、当然ながら独りぼっちであった。「皆さま、ご入学おめでとう…

絡まった糸をほどく (前編)

ねぇ、うちの業界にいたらさ、学歴コンプくすぶるよね。ランチ中、同期がふと口にした。私は、そうだねと同意する。たぶん、私達の大学は、世間一般では普通レベルかと思う。名前に聞き覚えがある程度には。しかし、この業界では違う。難関大学出身者がひし…

いまじなりー・ふれんず

ペットが欲しい。 残業はなくならない。 ヒールを脱ぎ捨てて、暗い八畳ワンルームへ戻る毎日に、嫌気がさす。 私は、これから何度、同じことを繰り返さなければならないのだろう。 疲れ果てても、誰も声をかけてくれない。甘えさせてもくれないし、甘えても…

ペットから知る私

大学進学を機に、私は実家を出た。私と両親は、なかよしこよしという関係ではなかった。むしろ母親など「あなたがいなくなったら、フランス語の勉強再開しようかしら」と漏らし、第2の人生を心待ちにしているようでもあった。 しかし、実際にその時が訪れる…