2023-01-01から1年間の記事一覧
2023年は印象の薄い年である。ここ5年ほど、私は毎年、自分史年表に記載ができるほどのイベントが発生していた。大学卒業、就職、引越しなどと、10年後に振り返っても思い出せるような出来事ばかりだ。それに引き換え、2023年。何も発生していない。国内一…
今年の目標に最低一か所一人旅を掲げていたのだが、 体調不良や多忙により叶えられないまま早くも11月を迎えてしまった。いや、少し嘘だ。時間なら探せばあった。 スカートの裾からほつれた糸を引っ張りだすように、 多少の時間は作れるものなのだ。 自分の…
突然、充電が切れた。ベッドから起き上がれない。私には、たまにこういうことがある。 たっぷり寝た後、お寿司とビールを堪能したくなり、回転寿司へ出かけた。お昼からのビールが、夜よりも数倍美味しいのは、気持ちの瓶を幸福感でいっぱいにしてくれるから…
30分以上も汗の臭いが充満した満員電車に運ばれた先にあるのは、桃源郷とは程遠い場所だ。理不尽な電話、ちょっとしたイジり、急な連絡調整。耐えなければいけない様々なことを想像すると、疲労感が吹き出してくる。 大事なことは一つだけ。ココロのHPを満タ…
憧れの街、東京。青空の一部となった高層ビルの下で、スタバのコーヒーとスマホを片手に、肩で風を切りながら闊歩する人たちが生きる町。 幼い頃から、この街に溶け込みたいと願っていた私がようやく居を構えたのは、社会人になってからだった。ここが自分の…
デジタル化の恩恵だ。昨年冬にKindleを購入して以来、自宅にいながら好き放題の本を手にできる環境を得た。いわば図書館で寝泊まりしているようなものだ。電子書籍の定額読み放題サービスであるKindle Unlimitedにも加入したので、文庫本1冊と同程度の価格…
昨年に「私を離さないで」を読んで以来、すっかりカズオ・イシグロ作品の魅力にとりつかれた私。邦訳版として出版されている全9冊を読了したので、レビューしたいと思います。 ネタバレを含むので、ご了承ください。 ①「遠い山なみの光」(1982年) 記憶に…
私は何事に対してもやる気に欠けている。 前日までは元気があって、わくわくして、好奇心旺盛で、海底から宝石を探りだすような気持ちでいたのに、当日になると何もかもがどうでもよくなる。 それも、一日中ゴロゴロしておきたーい!なんて子猫のような生き…
反応に困る声掛けがある。 「ヨシナリさんは、英語が得意らしいよね!」 この他のパターンとして、「昔からずっと英語が得意だったの?」や「英語ができて羨ましいよ」や「大学で外国系の専攻だったから英語ができるのか!」などがある。 他の話題の際にも時…
開口一番、彼女の瞳からは涙が溢れた。「関西に、戻ることになってん」震える彼女の声は、私にしか聞こえていない。右隣のグループは人事異動の話題で盛り上がっている。左隣の男女は顔を合わせてから30分も経っていない様子で、ぎこちなくサラダを分け合っ…
ルネッサンスとモダンアート。新古典主義と印象派。 様々な時代における西洋絵画を並べてみて、どの時代の作品が好きかと問われたら、きっと困ってしまう。どの時代の西洋絵画もすてきだと思うからだ。繊細で細かいタッチに惹かれることもあれば、大胆で力強…
翌朝のオンライン英会話を予約しようとしたら「条件に当てはまる講師がおりません」と表示された。 そうか。今日は大晦日。明日はお正月。元旦から仕事をしたい人がいるはずもない。 私は一人で納得して、予約をせずにパソコンを閉じた。 一人暮らしのアラサ…