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おさらい!!!今回の強行軍!!!
今回の旅程は三泊四日。
まずはミラノからお馴染みの格安Flixbusを使い、3時間15分をかけてボローニャへ向かう。ボローニャでマグネットを回収。その後はボローニャから電車で30分程度の位置にある小都市・フェッラーラへ向かい、そのまま宿泊。
2日目の午前中に電車で1時間15分程度揺られ、フェッラーラからモザイク画で有名な都市のラヴェンナへ向かい、マグネット回収。午後にはラヴェンナから電車で1時間程度かかるリミニへ向かう。リゾート地としても知られるリミニに宿泊し、翌日に備える。
3日目はついに、リミニからサン・マリノへ入国する。リミニからサン・マリノもバスで1時間程度の距離だ。サン・マリノを満喫したら、リミニへ戻り宿泊。
4日目はFlixbusで5時間以上かけてリミニからミラノへ戻る。
横断開始から3日目の朝。昨日とは打って変わって、青空が広がっていた。
体調は万全とは言えない。このままベッドで寝ておきたいという気持ちは消えない。だが、これは2度目の挑戦だ。2024年年末に諦めたサン・マリノ観光を諦めるわけにはいかない。リミニまで辿りついたのだから。
リミニはサン・マリノへの玄関口となる都市だ。リミニ駅からサンマリノ行きの直行バスが出ており、所要時間は1時間以内といったところ。バスの本数は多いとは言えず、日帰りするには十分だが、時間を見計らって計画を立てておいた方が無難なスケジュールだった。
Googleマップでは、ビーチ側にあるホテルからリミニ駅の反対側にあるバス乗り場まで徒歩20分程度と出てきた。駅を迂回して、ぐるっと半周する経路を示してきているためだ。日本のように自動改札機があるならば駅のホームを突っ切って反対側へ出ることができないので正解のルートになるのかもしれないが、騙されてはならない。ここはイタリアである。駅のホームに自動改札機はなく、出入り自由。ビーチ側のホテルからサン・マリノ行きのバス乗り場までは10分程度で到着できる。
方向音痴として、新しい場所へ向かうのは多少の緊張が伴う出来事だ。バス停が分からなければどうしようかと少し早めにホテルを出発したが、心配ご無用。サン・マリノの直行バス付近には、たくさんの観光客が集まっていた。ビーチでは全く観光客を見かけなかったのに、一体皆様はどこへ宿泊していたのか。
サン・マリノ行きのバスの時間は購入したチケットの時間通りにしか乗れない。次のバスの人、次の次のバスの人が集まり、とてもではないが、一台のバスに収まりきれる人数とは思えない観光客がバス乗り場付近にたまっていた。いや、次の次のバスを予約している人数を差し引いても、バス一台には収まらない混雑ぶりだ。
定刻からやや遅れて、バスが到着した。ナンバープレートはEUではなく、サン・マリノ独自のものなので見間違えることない。周囲の観光客にも安堵した空気が流れる。
バスは2台立て続けにやってきて、日本の満員電車のように人を詰め込み出発した。私は何とか空席を見つけられた。山を登っていくので、50分ほども立ちっぱなしで乗車するのは少し辛いかもしれない。バスは観光客用ではないので、途中乗車や途中下車する市民もいた。
入国審査はない。車窓からサン・マリノの標識を見つめ、自分が国境を超えたのだと知った。日本でも道路を走っていると「さっきまでA市だったけど、ここからB市なんだ」と気がつく時があるが、それと同じだ。サン・マリノ国ではなくイタリア国サン・マリノ市に入ったような感覚だった。
バスの終点は山のふもとにある。バス停前にはお土産屋が並んでいた。軒先に、イタリア国旗のマグネットはない。やっぱりここは異国なのだ。
入国をした私が真っ先に向かったのは、観光案内所だ。日本で各地にある観光案内所へ立ち寄った経験はほぼないのに、なぜ異国でこの場所を求めたのか。
それは、パスポートに入国スタンプを押してもらうためだ。
入国記念という意味合いなので、5ユーロかかる。受付の女性に愛想はなかったが、切手の上に、丁寧にスタンプを押してくれた。お土産代と考えると、お得なのではないだろうか。
さて、今更ながらにサン・マリノについてWikipediaの情報を踏まえて簡単に説明したい。
サン・マリノ共和国は、イタリア半島中部に位置する世界で5番目に小さい現存する最古の共和国である。国土はティターノ山を中心に広がる丘陵地で海に面していない。首都はサン・マリノ市だ。
この少し調べただけで、自然豊かな風景を思い描ける国では何を観光すればいいのか。
観光ガイドに紹介されている有名どころとしては、世界遺産にも登録されているサン・マリノ市内の歴史地区だろう。歴史地区には3つの塔と呼ばれる要塞や庁舎のあるリベルタ広場が見所としてあげられる。
また、日本人として興味があるのはサン・マリノ神社だ。日本の神社本庁が援助したという2014年に創建された神社だ。首都からは外れているが、興味あれば訪れてみるのも良いかもしれない。
車酔いや疲労によって体調は悪い。おまけに曇り空が広がっている。目の前には緩やかな坂道。これを登らなければ、観光名所にもたどり着けないのか。
入国スタンプをもらっただけで満足した運動音痴の私は、このままバス停まで回れ右したくなった。
次のバスでリミニまで戻ってしまっても良いのではないか……いやいや、ダメだ。ここまで来たのだから、リベルタ広場くらいは写真におさめなければ。
それに、歩き回った分だけ、お気に入りのマグネットが見つかる可能性だって上がるのだ。そのために来たのだろう。
気持ちを奮い立たせ、何とか坂道を踏みしめ始めた。
道の両側にはお土産屋さんが並んでいる。マグネットは言わずもがな、サン・マリノ発行の硬貨や切手も限定商品として販売されている。サン・マリノグッズ以外で目につくのは、香水や高級ブランドのファッション雑貨だろう。Tax Freeの文字が踊っている。この国には消費税がなく、免税状態だかららしい。お金に余裕がない貧乏大学院生は、たとえ免税だろうと高級品に手が届くはずもない。たくさんのお店の前を通り過ぎるのみだ。
人の流れに従ってたどり着いたのは、ケーブルカー乗り場だった。麓の町とサン・マリノ市を繋いでいるようだ。ヨーロッパらしいオレンジ色の屋根の街並みを一望できる。

サン・マリノ国旗がはためき、たくさんの観光客が写真撮影をしていた。風が吹くたびに表情を変えるので、意外に撮影が難しい。スマホのカメラのボタンを連続で押しまくり、及第点の一枚を収めたところで、次の場所へ向かうことにした。

サン・マリノは狭い。なんせ世界で5番目に小さい共和国。観光地も密集しており、人の流れに従えば、どこかにはたどり着ける。
意図せず行き着いたのは、リベルタ広場だった。春から夏にかけては衛兵の交代儀式が行われているらしいが、残念ながら4月初旬のこの日は何もなかった。

庁舎は外から見たのみ。サクッと写真撮影だけで終わったので、またまた人の流れに従って、三本の塔のどれかを目指すことにした。なぜ、「どれか」という曖昧な書き方なのかといえば、とりあえず目に着いた場所へ向かっているだけで、明確な目的地がないためである。
サン・マリノ国旗にも書かれている3つの塔は、遠目でも目立つ。それぞれ、グアイタの塔、チェスタの塔、モンターレの塔と呼ばれている。チェスタの塔の中には武器博物館もあり、非常に興味がそそられた……が、私には歴史的な興味関心を上回る欲望が渦巻いていた。
もうリミニへ戻り、ホテルのベッドで寝たい。
勾配のある道が続き、バファリン漬けの身体には限界だったのである。
何らかの塔の写真撮影だけをすませ、リミニ行きのバスの時刻表を調べる。元々、14時台のバスに乗って帰ろうと考えていたが、残り3時間以上も歩き回って時間を潰せるとは思えなかった。これより早い帰宅となると、約1時間後、12時台のバスしかない。もう14時台のチケットは購入していたが、頼めば12時台のバスにも乗せてもらえるかもしれない。
12時台のバスで帰ろうと、私は坂を下り始めることにした。もちろんマグネットを探しながら。
お土産屋を見かける都度、マグネットを物色した。どこのお店にもマグネットが飾られているが、なかなか「これぞ求めていたマグネット!!」というものとは巡り合えない。
塔の付近から下って山の真ん中までやってきた時、そろそろ決めなければと、お土産屋さんの前で立ち止まった。軒先に貼られているマグネットをしゃがみこんで手に取っていると、後ろから声をかけられた。
「イタリア語分かる?お店の中見ていきなよ。もっとたくさんのマグネットあるよ」
大型犬を散歩しているご夫婦と会話していた中年女性は、このお土産屋さんの店主だったらしい。相手の反応を待たずにイタリア語を話し続けるのがイタリア人ぽい……いや、サン・マリノの国民性なのか。
横に長い店内は外から見るよりも広く、所狭しとお土産屋が並んでいた。個人的にも風雨に晒されていないであろう店内のマグネットの方が好きだ。
長い時間をかけて選んだのは、サン・マリノの衛兵の盾に3つの塔が描かれているデザインだ。

マグネットも手に入れた。目的は果たした。もう満足だ。
滞在わずか2時間半ほど。私はリミニへ戻ることに決めたのだった。
リミニまで戻るまでのバスの中で私は今まで以上の車酔いを経験した。ようやくたどり着いたリミニ駅前のバーガーキングで腹ごしらえをした後は、ゆっくりリミニを歩き回った。カラフルな街並みを見たり、21年に完成したというティベリウスの橋を歩いたり。2000年も前から存在したこの町の時間は、ゆったりと流れていた。


もちろん、リミニのマグネットもゲットした。

詰め込みすぎたスケジュールのせいで体調は万全とはいかなかった。だが、エミリア・ロマーニャ州を横断したこの4日間は、幸せに満ち溢れていた。
私が10年後に思い出すのは。
楽しかった。綺麗な日々だった。
微笑みを浮かべながら、時間を巻き戻う方法を夢の中で手探りしていることだろう。
(完)
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更新に長い時間がかかりましたが、ようやく完結です。メインパートであるサン・マリノ到着編が駆け足になり、すみませんでした。リミニの話は別で書きたかったのですが、イタリアで使用していたスマホが壊れました。このブログもイタリアのスマホで開けなくなった上、写真データも他の媒体に移すことができず、これ以上書くことができなくなりました……。日本のスマホに写真データはほぼ移していないので、写真もわずかしか載せられませんでした。
データを取り戻したい……。
























