Weekly Yoshinari

Weeklyじゃなくてさーせん🙏🏻

近頃、涙腺がもろい

大学四年間を通じて、東京ディズニーランドへ一度も行かなかったことは、イマドキの女子大生としては、なかなか珍しかったのではないかと思う。関西に住んでいたし、苦学生だったので旅行費用を捻出できなかったからというのが理由の大部分を占めるものの、…

5日間カレーチャレンジ

これは、関西弁の通じない異邦の地に飛ばされた女が、誰とも話さない長期休みに楽しみを見出すべく立案・実行した記録です。 【背景】 「どんなに好きなものでも、3日もすれば飽きる」と人は言う。 私はカレーが好きだ。暑い夏にスパイスのきいたカレーを頬…

新天地

初めての土地での新生活が始まった。私はメンタル弱者なので、東京を離れる前日の夜もビジネスホテルで泣いていた。深夜も寝られずに、涙が溢れ出していた。4時間睡眠の後、新幹線の駅のホームでも泣いていた。7月の4連休前に大宮駅で泣いているヤバそう…

旅立ちの日に

小学生までは、こんな人間ではなかったのだ。いや、中学生くらいまでか。努力は嫌い。勉強も嫌い。塾の宿題はやって行かない。もしくは授業中に終えてしまい、家ではやらない。人生に対して計画を立てるような性分は、母の腹の中に忘れてきたような振舞いを…

Unpretty

自分はかなりの視力差がある。右目が0.5、左目が0.02くらいだったはずだ。右目は近視が弱いが乱視が強く、左目は近視が強いが乱視が弱い。ガチャ目の見本みたいな目である。さらに間欠性外斜視。疲れた時や体調が悪い時は視線が外れてしまい、無意識のうちに…

香りが未来をつくるなら

かなり前のことになるが、会社の同期とご飯を食べに行った際、フレグランスの話になった。 「香水とかあんまり興味ないな」 「全然使わないわ」 と一同に口を揃えるのだが、私は真逆である。毎日使う。その時の気分によって使い分ける。外出前や夜寝る前に、…

仕事に行きたくないという叫び

GW前から、在宅研修が始まった。 「2週間以上も家にいるなんて、辛いね。誰とも会わなかったら、すごいメンタルやられない?」 会社の人から心配されたが、とんでもない。夢のような3週間だ。誰とも会わない日常を送れるなんて最高すぎる。 この在宅研修で…

発見の四月

突発的に、意欲が身体を漲ることがある。そして、それはだいたい夜のことだ。カーキ色のネイルをしよう。髪を金色にしよう。一人でロシアへ行こう。幼い子どもが虹色の絵本を開くように、私は期待で胸を膨らませるのだ。 厄介なことに、夜の意欲は、簡単には…

小さな食いだおれ

私はよく、食生活がおかしいと言われる。 朝ごはんは豆乳とレーズンロール。場合によってはナッツ。昼ごはんはヨーグルトとサンドイッチ。もしくはヨーグルトとサラダ。夜ごはんはヨーグルトとサンドイッチとキレートレモン。または豆腐そうめんと栄養補助食…

かちぐみ

高校時代の友達は一生モノ。 高校教師の口癖を、私は信じていなかった。 教師が主張するところによると、大学や社会人でも友達はできるけど、青春時代の友達だけが、何でも話せる相手になっていくのだという。 それでは、友達のいない私は、何でも話せる相手…

宇宙人たち

ギリシア神話にはウラノスがいて、インド神話にブラフマーがいて、日本神話では天照大御神がいる。人間は、古今東西で形は違えど、天地創造主が混沌から世界を創ったという伝承に、疑いを抱かない。もはや遺伝子レベルで、天地創造神話は、脳内に組み込まれ…

Come on, Vogue

お洒落のない人生は、つまらないと思います。 人生なんて、どんよりとしたものではないですか。晴れ間なんてほとんど見られない。小雨を避けて、ばしゃばしゃ水たまりを散らかしながら、駆けていくのです。 でもそんな時に、明るい白色の傘を差すと、ちょっ…

ティファニーから朝食を

オードリー・ヘプバーンとマリリン・モンローのどちらが好きか、という問いは、いつの時代でも大論争を巻き起こすと思う。 かくいう自分も、どちらが好きかは決めがたい。 私のiPhoneケースはマリリン・モンローだ。 よく 「ツッコミ待ちなの?」 と言われる…

14年間を経て

その本と出会ったのは、小学四年生。 当時の私は、飽きることなく、図書室へ通いつめていた。学校へ通う楽しみの七割は、本を借りることだった。 児童文学から歴史の本まで、幅広く読んでいた方だと思う。残念ながら、科学の本は興味がなかったので、手に取…

ビール的な。

ビールの泡は7:3。 黄金比率を壊さないようにジョッキを傾け、琥珀色の液体で喉を震わせる。食道から、じんわりと苦味が広がった。身体中を駆け抜ける痺れを逃すように、私は深々と息を吐く。 ビールは美味しい。だけど、日常的には飲みたくない。 追われ…

タワーマンションに憧れる話

占いや心理テストを盲信的に崇め奉るタイプではないが、自分を客観的に分析してくれる錯覚を得るのが楽しいため、暇な時にその類をポチポチしたりする。 私は独り身かつ友達も少ないので、大概は暇なのだが、それはそれとして。 数少ない友人は優しいので、…

色々様々

桜色と空色を並べられたら、桜色を指さす。 桜色と藍色を並べられたら、六秒間だけ頭を捻るが、桜色を手にするだろう。 では、桜色と黒色を並べられたらどうか。私は、迷うことなく黒色を引き寄せる。 ということを伝えると、自分の友人は 「意外だね。ピン…

はじまりのことのは

闇は全てを覆い、存在さえも隠してしまう。虚円の淵に立っている自分の姿は、誰にも見ることができない。 ここはどこなのか。 後ろにも前にも、掴むものはない。腕を大きく伸ばし、360度回してみて、気がつくのだ。 私は、一人である。 気心のしれた友達もい…