Weekly Yoshinari

Weeklyじゃなくてさーせん🙏🏻

仕事に行きたくないという叫び

GW前から、在宅研修が始まった。

「2週間以上も家にいるなんて、辛いね。誰とも会わなかったら、すごいメンタルやられない?」

会社の人から心配されたが、とんでもない。夢のような3週間だ。誰とも会わない日常を送れるなんて最高すぎる。

この在宅研修で得たのは、業務に必要な専門知識ではなく、健康で文化的な最低限度の生活である。


社会人になるまで、19時以降に食べ物を口にしないことをポリシーとしていた。飲み会は仕方ないにしても、日常生活では、できる限りポリシーを貫いていた。22時までアルバイトがある日は、17時に食事を終えるほどには徹底していた。

だが、社会人になって3週間後、私は転向した。大学4年間で築き上げたポリシーをあっさり放棄したのだ。なぜなら、食だけが日々の楽しみとなったからだ。21時に、サラダを食べるだけでは留まらない。パンク寸前の脳味噌にご褒美を与えるべく、私は甘い物に手を伸ばし続けた。ギブミーチョコレート状態。同期のみならず上司にまでお菓子をねだっているのは、さすがにナメすぎかもしれないと、ちょっと反省している(この間、パイの実・期間限定版を返礼したので許してください。)。

この結果、一年たたずして体重が5キロ増加した。自分史上、最高体重を記録。一番痩せていた時と比べると、なんと約10キロ差。デブ期突入である。まさか自分が体重計にのって、この数値を目にする日がくるとは思わなかった。かなりショックだったため、痩せるべく、サプリメントに手を出した。サプリメントの効果には半信半疑だったのだが、幸い、増加には歯止めがかかった。ただし、減少もしていない。プラマイゼロだ。

分かりますか。このビフォー。超絶不健康生活なんです。

では、アフターをご覧ください。

12時過ぎに昼食をいただきます。毎日、ちゃんと作ります。似非ベジタリアンなので、ハンバーグを作ります。パスタの時もあります。麻婆豆腐も作りました。飲み物はお水です。1日1リットル飲むように心がけます。17時を過ぎると、自由時間です。夕食は、サラダかヨーグルト・キレートレモン・サプリメントです。海外ドラマを観ます……はい、幸せ。


飽きるほど海外ドラマを観られること。これが、私の幸福感にブーストをかけている。

突然だが、世間話の類として「芸能人だとどの人が好き?」というものを聞いたことがあるだろう。私は、この質問が非常に苦手だ。テレビを観ない環境で育ったため、日本のテレビ番組に疎い。最近のドラマや役者はほぼ知らない。

「どういう人がタイプなの?芸能人で言うと?」

「いや……別に顔は気にしてないんで……」

という微妙な受け答えを何回繰り返したか分からない。

実家を離れた今はテレビを観られる環境にも関わらず、欲が湧いてこない。抑圧から解放されると、自由を貪るのが人間じゃないのか。自分で自分が不思議だったのだが、海外ドラマに出会って、気がついた。

日本のドラマや俳優には、興味がないのだと。

考えてみれば、中学時代に、同級生が嵐を見て騒いでいても、私は正直、あまりかっこいいと思えなかった。どの人も同じ顔に見えたし、名前も覚えられないほど興味が薄かった(今、全ての嵐ファンを敵に回したよね。あくまで私の美的感覚の問題です。陳謝します。)。

嵐の良さをあまり理解ができないのは、海外の俳優が好きだからだと思っている。浮世絵よりロココが好きだし、そもそも西洋史学専攻だったし、たぶん海外文化の方が自分の感覚に合致しているのだろう。

海外ドラマを見始めたのは、英語学習の一環だった。元来、英語が嫌い且つ苦手だったため、海外ドラマも毛嫌いしていた。しかし「英語学習には海外ドラマがおすすめ」という話を聞いたため、騙されたと思って、Huluを契約したのだ。はい。見事に騙されました。面白すぎて。手段と目的が逆転し、海外ドラマを観るために英語の勉強をするようになるほど、海外ドラマ沼にはまってしまった。

私は、米粒ほどのワークライフバランスを保つため、海外ドラマを流しながら出勤準備をしている。『Gossip Girl』か『The Bold Type』の場合が多い。嫌でも会社へ行けば、先行き不透明な辛い時間が待っている。ニューヨークが舞台のオシャレな世界に入り込まないと、生きていけない。いつか私もニューヨークに行きたいなと考えながら、豆乳を飲みつつ、メイクをする。現実から逃げられる大事な40分間。そう。たった40分。一時間にも満たない短時間しか海外ドラマに触れられないことが、悲しくて堪らなかったのだ。

それなのに、この3週間は、時間を気にせず、海外ドラマが見放題!素晴らしすぎる。

嬉嬉として、私は『プリズン・ブレイク』を流し続けた。たまに『フラッシュ』か『レジェンド・オブ・トゥモロー』。なぜこのセレクトなのかと言うと、大好きなウェントワース・ミラーの御尊顔を拝むためだ。私は俳優の中で、ウェントワース・ミラーが一番好きだ。

「どういう人がタイプなの?芸能人で言うと?」

という質問に対して、本気で

ウェントワース・ミラーです」

と答えるくらい好きだ。日本の俳優やジャニーズが好みではないと言ってから、ウェントワース・ミラーの名前をあげると、納得されることが多い。だが悲しいことに、あまり知らない人から

「え、ハゲが好きなの?」

と豆腐の角で頭をぶつけて欲しいような反応を示されることもある。

非常に解せない。あれだけイケメンで頭良かったら、髪の量どうでもいいだろ。というか、ハゲてないからな。

プリズン・ブレイク』は、シーズン1が最高潮で、以降は右肩下がりだと言われているが、個人的にはシーズン4も好きだ。人間模様は、シーズン4が一番面白いと思う。あのキャラ同士の和解とか。あのキャラの裏切りとか。シリーズを見てきて良かったな、と実感できるからだ。

ただ、さすがにシーズン5は擁護できない。マイケル死んだのに、なんで生き返るんだ。ケラーマンは、シーズン4で全て免罪・聖人ポジションになったくせに、何やってるんだ。「実はケラーマンの力が足りておらず、まだお話は終わりませんでした」はご都合主義を極めている。

まあ、マイケルが生きててくれた方が嬉しいので、ガバガバ設定も許容する。それに、なんだかんだでシーズン5もきっちりと観ている。

「どうやったら、ウェントワース・ミラーみたいな人と出会えるんだ」

n回目くらいの言葉をくるくるしながら、『プリズン・ブレイク』のシーズン5を観た後、またシーズン1に戻った。無限ループである。

無限ループのせいで、私の心はここにあらず。水曜日から出勤しなければならないことを考えると、刑務所に収監されるような気分だ。会社にウェントワース・ミラーがいるならともかく、現実は虚しい。

メール500件溜まっているんだろ? よく分からない案件振ってくるんだろ? マスク難民だけど、マスクしてなかったら問答無用で人権奪われるんだろ?

色々考えると、既に逃げたいです。マスクはまだ入手できてないし、上司も後輩も優秀なので、ポンコツヨシナリが出勤しなくても問題ないのでは。私が出勤することの意味とは。仕事行きたくないです。ウェントワース・ミラーがいるならともかく。はい、口説いので、この辺でやめます。


ここまで取り留めもなく書いて気がついたが、わりと不健康で文化的な最低限度の生活を送っていた3週間だった。でも、会社へ行くと、不健康で非文化的な最低の生活へと概念がねじ曲がるので、自分が幸せならばそれで良いのだと思う。

仕事が始まっても、海外ドラマへの逃避を忘れず、暴飲暴食は控えるようにしたい。