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おさらい!過密なスケジュール!
まず8時30分発のFlixBusに乗るために、 7時45分までに自宅を出発。バスに揺られること3時間15分、 11時45分にパドヴァへ到着。 礼拝堂は13時30分の予約として、 お昼ご飯は観覧前に駅前のマクドナルドで済ませる。 帰りのFlixBusは15時55分発を選び、 19時半までの帰宅を目指す。
大きなトラブルなく、12時前にパドヴァに到着した。車酔いをしやすい体質でもあり、3時間以上をバスで過ごした私はすでにクタクタだった。この時、頭の中にあったのは「12時30分には礼拝堂の前にいなければ」ということだった。残り30分しかない。
バス停から礼拝堂までは徒歩20分ほどだった。12時30分までに到着するためには、お昼ご飯を食べる時間なんてない。さらばマクドナルド。トイレだけは旧市街の中にある有料のものを探し出して駆け込めた。
そんなわけで急いで礼拝堂へ向かったのだが、方向音痴なので入り口が見つからなかった。同じく観光客と思われる親切な高齢のご夫婦が「入り口は回ったところだよ」と教えてくれて、何とか博物館(礼拝堂と同じ敷地内にある。)のコインロッカーに荷物を預け入れた。ロッカーの近くに無料トイレがあった。遠回りして有料トイレを使用した私、本当にバカ。
ここで「そんなに急ぐ必要があったのか?」と疑問を感じた方はとても鋭い。
鈍感な私は、12時30分に礼拝堂へ到着して、スマホでチケットを開いた時に、ようやく気がついたのである。13時に到着すれば十分だったと。いつの間にか「見学開始30分前に到着すべき時間」が「事前予約時間」に脳内ですり替わっていた私、本当にバカ(2回目)。
ロッカーにお水まで預けてしまい、喉を潤すことすらできない。30分間も空腹で待ちぼうけを食らったが、スクロヴェーニ礼拝堂は素晴らしかった。

13時30分に鑑賞を終えると、即座に近所のレストランへ駆け込んで、アぺロールとボロネーゼを頼んだ。マクドナルドよりも観光客感を出せた気がする。

ボロネーゼをフォークに巻きつけながら考えたのは、今後の予定である。礼拝堂鑑賞は果たせたので、後の目的はマグネット回収だ。Padovaと書かれたマグネットを探し出さなければならない。
14時15分過ぎにレストランを出て、とりあえず徒歩15分程度に位置する広場に向かうことにした。広場に行けばお土産屋の一つや二つ、すぐに見つかる。マグネットの利点はどこでもあることなのだから。
しかし、なかった。お土産屋が、どこにもないのである。広場って観光客が密集していて、怪しげな露天商ぽい雰囲気の中東系おじさんが立っているものではないのか?大体、そういう中東系おじさんがマグネットを売ってくれるものではないのか?

中東系おじさんが見当たらないどころか、お土産屋自体がないのである。どこだよ、Padovaグッズ。
スクロヴェーニ礼拝堂のある知名度の高さ。世界的な一大観光地であるヴェネチアからも近い都市。Padovaグッズの需要の高さは窺える有名都市なのに、なぜなのか。
広場を抜けて、来た道を戻ることにした。礼拝堂のチケットで博物館にも入れるらしいので、このままバスの時間まで博物館で作品鑑賞しようと決めた。その道すがら、一軒のタバッキがあった。そっと外から様子を伺うと……あれは、マグネットではないか!?
タバッキは日本のコンビニのようなもので、公共料金の支払いができたり、切符が買えたり、小さなスナックが売っていたりする。観光地のタバッキではマグネットも含めたご当地グッズも購入できるようである。
Padovaマグネットは種類が少なかった。私のマグネット収集のルールは各都市1つ、立体的なもの、印刷だけのものはNGという3点だ。このルールに該当するマグネットは一つしかなかった。St.Antonioという禿げたオッサンは存じ上げないが、選択の余地なくPadovaマグネットを3ユーロでお買い上げとなった。(現地で記念撮影する時間がなかったので、後日、自宅で撮りました!)

マグネット回収に成功し、再び礼拝堂の敷地へ戻ってきたのは15時だった。まだ1時間ある。イタリアの博物館はとても広いため、とても1時間で見切れる広さではない。流し見でも良い、礼拝堂から移されたというジョット作の十字架だけ拝めれば良いからと、2階建ての博物館へ入館した。
お目当ての十字架は2階にあった。礼拝堂と違って鑑賞時間に制限がないので、好きなだけ立ち止まることができる。

1階の考古学エリアも、2階の美術エリアも存分に歩き回り、名残惜しくも15時55分に博物館を後にした。
さて、皆様はお気づきだろうか。盛大なミスを。私は気がついていなかった。
16時30分頃にバス停へ到着した時、別のバスが停車していた。FlixBusは出発時間が大幅に遅れることは少なく、次のバスが自分の乗るものだろうと呑気に考えていた。しかし、自分が乗らなかったバスを見送ってしばらくしても、バスが来ない。あれよあれよと17時前になった。
おかしい。FlixBusは遅れているのだろうか?
情報のアップデートを確認するため、再度チケットを開いた時、時空が歪んだかと錯覚した。
チケット時刻は15:55。スマホの時刻は16:55。
いつの間にか自分の脳内では、「16時前にバス発車」が「16時までに観光終了」へ置き換わっていたのだ。時計の読み方もままならない私、本当にバカ(3回目)。
痛恨の1時間ミスに放心状態となりかけた。バスが来ないはずだ。なぜマグネット回収した時点でバス停へ向かおうとしなかったのかと自分を恨んだ。
けれども、終わってしまったミスを嘆いたところで、宿泊先を取っていない私が本日中に帰宅しないといけない状況は変わらない。
気持ちを切り替えて、私は徒歩10分の位置にある鉄道のパドヴァ駅へ向かった。バスが無理なら電車で帰るしかない。普段はTrenitaliaのアプリ(JRのようなもの)で時刻表確認と切符購入をすませるのだが、この日に限ってエラーが起きている。私のスマホの問題のようだ。ログイン情報を更新していない私、本当にバカ(4回目)。
仕方なく、券売機でミラノ中央駅行きの電車を確認する。ちなみに、私の自宅はミラノ中央駅から離れているが、中央駅に到着すれば後は様々な方法で帰れる距離にある。最も早い出発時間のパドヴァ駅からミラノ中央駅の電車は、所用2時間程度の高速列車(フレッチャロッサ)だった。むしろバスで帰宅するより早く到着できて良いかなと思ったが、金額を見て我に返った。71ユーロ。フレッチャロッサは日本でいうところの新幹線のような存在なので高価なのは当たり前だが、自分の不注意への勉強代には高すぎる。出費を最小限にとどめるべく、高速列車を諦めて、普通電車で3時間かけて帰宅することに決めた。
フレッチャロッサと違い、普通電車の時は乗り換えが必要だ。予定では、17時40分にパドヴァ駅発の電車に乗り、18時38分にヴェローナ駅で下車。18時43分にヴェローナ駅でミラノ中央駅行きの電車に乗り込めば、20時35分に到着できるという流れである。
切符を購入した時点で17時20分頃であった。日本ほど駅中のショッピングエリアが充実しているわけでもなく、早々とホームに行く。スマホをいじって時間を潰すしかない。通勤ラッシュなのか混雑しているホームの空気に、今度は時間と場所を間違えていないとホッとする。
けれども、遅延大国のイタリアらしく、定刻に電車は来なかった。17時40分になっても電車は来ず、発車したのは17時50分になってからだった。乗車中もすんなりと進むわけではない・途中で電車が何度も停車する。ダンボのように耳を大きくしながらイタリア語の会話に集中すると、隣の座席ではご婦人方が「ミラノ行きの電車に乗れるかしら」と話していた。
そうなのだ。ヴェローナ駅での乗り換え時間はわずか5分。わずかの遅延が命取りとなるのだ。
スムーズにヴェローナ駅に到着してくれという祈りも虚しく、ヴェローナ駅の到着は18時43分頃であった。ミラノ中央駅行きの電車の発車時刻だった。
終わった。電車を逃した。
電光掲示板を確認すると、ヴェローナ駅からミラノ中央駅行きの普通電車は1時間に1本のようだった。これからヴェローナ駅で1時間も待たないといけないなんて。バスの時刻を間違えたツケがここまでやってくる私、本当にバカ(5回目)。
ヴェローナも観光地として有名で、私もはるか昔に訪れたことがある。もう少し早い時間帯なら2本くらい電車を遅らせてヴェローナ観光をするという選択肢もあっただろうが、もう夜だ。それに、駅から観光地までは徒歩20分程度かかるらしい。1時間で散歩できる距離ではない。ヴェローナ観光は諦め、10分程度だけ駅周辺の散策を楽しんだ。(楽しんでいない)

その後、言わずもがな、涙のVeronaマグネットの回収を行った。駅構内にコンビニのようなお店があり、マグネットはすぐに見つけられた。助かった。ついでに、夕ご飯を食べ損ねていたのでツナとトマトのフォカッチャを買った。

マグネット回収できたから良かったということにしよう。ヴェローナ観光してなくない?という内なる声はかき消した。
自宅に到着したのは時計の針が22時も回った頃だった。
図らずも、パドヴァとヴェローナの2都市のマグネットを回収した。後で調べたところ、Padovaマグネットに書いていたSt.Antonioという禿げたオッサンは、「パドヴァのアントニオ」と呼ばれる聖人だという。「カトリック教会で、失せ物、結婚、縁結び、花嫁、不妊症に悩む人々、愛、老人、動物の聖人とされている」というのがWikipediaの説明である。
失せ物の守護聖人の都市にて、数多の忘却体験をした私。この聖人からの慈悲を与えられなかったのは、禿げたオッサン呼ばわりのせいか。日本帰宅後にマグネットを冷蔵庫に貼り付けた後は、St.Antonioを崇めていきたい所存だ。
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日本へ帰りました。マグネットは日本の冷蔵庫に飾られました。